前回、「心の可動域を広げる」という記事を書きました。
自然の中を歩いたり、美術館へ行ったり、少し遠くまで出かけてみたり。
そんな、自分の日常より少しだけ外側へ足を運ぶことで、心のエネルギーを浴びに行く。そんなイメージの話でした。
今回は、その反対側の話です。
エネルギーを増やす前に、今あるエネルギーを大切にする。
そんな、小さなメンテナンスの話です。
「15分で終わるのに、なぜかやらない」頭の中に開きっぱなしのタブはありませんか?
私は、ブラウザのタブを閉じられないことがあります。
未返信のメール。
あとでやろうと思って開いた手続きのページ。
返却する本。
予約サイト。
どれも人生を左右するような大きな問題ではありません。
やれば15分くらいで終わることです。
今日やらなくても、大きな問題にはならない。
だから、そのままにしてしまう。
そして気づけば、タブだけが横に並んでいます。
最近思うのは、開きっぱなしになっているのはブラウザだけではない、ということです。
頭の中にも、同じようなタブが開いたままになっている気がします。
「あとでやろう」が脳のエネルギーを消費してしまう理由
少しだけ面倒。
少しだけ嫌。
でも、どうせ近いうちにやる。
そんなことを、心当たりのある方もいるかもしれません。
私は結構あります。
脳からすれば、とても自然な反応なのだと思います。
「今日はやめておこう。」
そう判断することで、今使うエネルギーを節約しているのかもしれません。
でも、あるときふと思いました。
本当に節約できているのだろうか。
「未完了の仕事」が頭から離れない理由:心理学が明かす注意の仕組み
心理学では、終わっていない課題ほど頭に残りやすい現象や、未完了の仕事が注意を引き続けることが研究されています。
また、考え続けているだけでも、私たちの注意やワーキングメモリには負荷がかかることが知られています。
もちろん、「エネルギーが漏れる」という理論があるわけではありません。
でも、
終わっていないことは、頭の片隅に残り続ける。
そんな現象は、昔から研究されてきました。
思考のノイズを可視化する。「エネルギー漏洩」という自分だけのイメージ
ここからは、私が自分のために使っているイメージです。
頭の中には、小さなエネルギータンクがある。
そして、終わっていない小さなことがあると、そこに小さな穴が開く。
未返信のメールを思い出す。
「あ、返さなきゃ。」
返却する本を思い出す。
「今週中だったな。」
予約を思い出す。
「忘れないようにしないと。」
そのたびに、
ぽた。
ぽた。
ぽた。
と、数滴ずつエネルギーが漏れていく。
もちろん、本当にそうなっているわけではありません。
でも、私はそうイメージすると、不思議と少し動きやすくなります。
タスクを全滅させない。今日は「穴をひとつだけ塞ぐ」でいい
だから私は、
「全部終わらせよう。」
とは考えません。
今日はメール一本だけ。
予約一つだけ。
返却だけ。
そんなふうに、
穴を一つだけ塞ぐ。
そう考えるようにしています。
エネルギーを増やそうとしているわけではありません。
ただ、漏れているものを少し止める。
そんな感覚です。
「外からエネルギーを浴びること」と「内側の漏れを防ぐこと」
前回の記事では、心の可動域を広げるために、少し外の世界へ出てエネルギーを浴びに行く、というイメージを書きました。
今回は、その反対です。
新しいエネルギーを受け取りに行くのではなく、今あるエネルギーを大切にする。
どちらか一方ではなく、私はこの二つがセットなのではないかと思っています。
外から受け取ること。
内側から漏らさないこと。
その両方があって、少しだけ軽やかに毎日を過ごせるのかもしれません。
おわりに
これは心理学の新しい理論ではありません。
私が、自分を少しだけ動きやすくするために持っているイメージです。
すぐに気になることを片づけられる人には、この話はあまり必要ないかもしれません。
でも、私のように、
「少しだけ面倒。」
「少しだけ嫌。」
そんな小さな未完了を頭の中にいくつか置いたまま、一日を過ごしてしまうことがあるなら。
今日は、そのタブを一つだけ閉じてみる。
エネルギーを新しく増やすことはできなくても、漏れている穴を一つだけ塞ぐことはできるかもしれません。
そんな小さなイメージが、私には案外合っているように感じています。
画面を閉じ、耳から「心のタブ」を休ませる
「頭の中のタブが開きすぎていて、文章を読むこと自体が少し疲れる」
そんなときは、画面を見ずに耳だけで聴く読書(Audible)に切り替えてみるのも、ひとつの「小さな穴を塞ぐ」手段かもしれません。
この記事で触れた「注意残余」や「脳のメモリ(ワーキングメモリ)」の扱い方を深められる以下の作品は、どれもオーディオブックで聴くのにぴったりです。
散歩中や、夜寝る前の数分間、画面を暗くして耳を傾けるだけでも、頭のノイズが少しずつ静まっていきます。
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