オセロというゲームから借りる、人生の盤面の作り方

人生をどう進めていけばいいのか。

そんな大きな問いに、簡単な答えはありません。

仕事、お金、健康、人間関係、家族。

それぞれが影響し合い、思うように進まないこともあれば、あとになって「あれが転機だったのか」と気づくこともあります。

だから、「人生はこうすればうまくいく」という話をするつもりはありません。

ただ、人生という少し大きすぎるものを眺めるための、わかりやすいレンズを持つことには意味があるように思います。

今回は、そのレンズとしてオセロというゲームを借りてみたいと思います。

もちろん人生はオセロではありません。

それでも、このシンプルなゲームには、人生を考えるヒントが静かに隠れているような気がするのです。

私たちは「ひっくり返る瞬間」が好き

オセロで一番印象に残るのは、一手でたくさんの石がひっくり返る場面です。

人生でも、私たちはそんな瞬間に目を奪われます。

合格した。

昇進した。

独立した。

成功した。

何かが大きく変わった瞬間だけが、物語として語られます。

でも、本当に人生を変えたのは、その一手だったのでしょうか。

一手は原因ではなく、結果なのかもしれない

大きく盤面が動くときには、その前があります。

少しずつ石を置き、

少しずつ形を作り、

ようやくその一手が打てる盤面になっていた。

人生もきっと同じです。

目立つ出来事の前には、目立たない時間があります。

誰にも気づかれない毎日があります。

私たちは最後の一手だけを見ています。

けれど、その一手は、それまで置き続けてきた石の「結果」だったのかもしれません。

人生は、一手で変えるゲームではなく、盤面を作るゲーム

そう考えると、人生の見え方が少し変わります。

人生は、一発逆転を待つゲームではない。

今日置く一つの石によって、未来の盤面を少しずつ作っていくゲームなのではないでしょうか。

一つの石は、小さいものです。

その一手だけでは何も変わらないように見えることもあります。

けれど、その石は次の一手を打てる場所を少しだけ増やしているのかもしれません。

人生は、一手で変えるものではなく、一手ずつ盤面を整えていくもの。

そんなふうに考えると、今日という一日も少し違って見えてきます。

人には、それぞれ違う盤面がある

ここで、人生はオセロとは少し違います。

オセロは誰もが同じ盤面から始まります。

人生はそうではありません。

育った環境も違えば、得意なことも違う。

年齢も違えば、今いる局面も違います。

だから、誰かの一手をそのまま真似しても意味がないことがあります。

見るべきなのは、誰かの盤面ではありません。

今、自分が立っている盤面です。

四隅は、方向を教えてくれる

オセロでは四隅が大切だと言われます。

人生にも、自分を支えてくれる土台のようなものがあります。

健康かもしれません。

信頼できる人との関係かもしれません。

仕事や経済的な余裕かもしれません。

あるいは、自分で考え、選び直せる力かもしれません。

ただ、大切なのは四隅を知ることです。

四つを同時に目指すことではありません。

人生には局面があります。

今は仕事へ向かう時期なのかもしれません。

今は身体を立て直す時期なのかもしれません。

今は家族との時間に石を置く時期なのかもしれません。

盤面を見渡すことと、すべての方向へ進もうとすることは違います。

今、自分はどの方向へ盤面を作っていく時期なのか。

そんなふうに考えるだけでも、一手一手の意味は少し変わってくるように思います。

人生は四隅ではなく、辺でできている

四隅は方向です。

けれど、そこへたどり着くまでには長い道があります。

人生を形作っているのは、大きな目標よりも、その途中に置かれる無数の石です。

四隅という『点』を目指すプロセスのなかにこそ、豊かな『辺』が形作られていく。

だから私は、人生は四隅ではなく、辺でできている。

そんなふうにも思います。

四隅を目指すことは大切です。

でも、本当に人生を作っているのは、今日という一日に置かれる、小さな石なのです。

良い一手とは、未来の選択肢を残す一手

人生では、多くを手に入れることが良いことだと思いがちです。

でも、それだけでは盤面は豊かにならないのかもしれません。

石が増えても、動けなくなってしまうことがあります。

良い一手とは、多くを取る一手ではなく、

未来の自分が、もう一手打てるようになる一手。

そんな見方もできるように思います。

だから、ときには取らないこともあります。

立ち止まることもあります。

断ることもあります。

それは後ろ向きなのではなく、未来の盤面を整えるための一手なのかもしれません。

人生は、何度でも盤面を作り直せる

オセロでは、一度取った四隅は動きません。

人生は違います。

健康も変わります。

環境も変わります。

人との関係も変わります。

だから人生は、一度完成したら終わるゲームではありません。

何度でも盤面を整え直していくものです。

今まで積み上げてきたものが崩れることもあります。

それでも、また一つ石を置けばいい。

盤面は、そこからもう一度動き始めます。

おわりに

もちろん、人生はオセロほど単純ではありません。

この考え方だけで、人生の悩みが解決することもないでしょう。

それでも、ときどき人生を少し離れたところから眺めてみる。

そんな時間は、決して無駄ではないように思います。

今、自分の人生はどんな盤面になっているのだろう。

どんな石が並び、どの方向へ盤面を作ろうとしているのだろう。

そして今の自分は、どの四隅を目指す時期なのだろう。

すべての方向へ同時に進もうとしなくてもいい。

盤面を見渡し、「今はこの方向へ石を置いていこう」と思えるだけでも、十分意味のあることなのかもしれません。

今日置く石は、小さくていい。

その一手で人生は変わらないかもしれません。

でも、その一手は確かに盤面を変えています。

人生という大きなものを完全に理解することはできなくても、ときどき自分の盤面を静かに眺めてみる。

そんなシンプルなレンズを一つ持っていることは、これから先の長い人生を歩いていくうえで、案外悪くないことなのかもしれません。


自分の盤面を静かに眺めたり、これからの方向性をゆっくり考えたりするとき、私はよく「耳からの読書」を取り入れています。

画面から目を離し、静かに流れる声を聴きながら、自分の内側にある石の並びを見つめ直す。
そんな時間は、せわしない日常のなかに心地よい余白を作ってくれます。

今ならAmazonの「Audible(オーディブル)」で、無料体験を使って本を聴くことができます。
思考を少し深めてみたい時間に、静かなレンズをもう一つ、重ねてみてください。

今回の記事では「すべての方向へ同時に進もうとしなくていい」とお話ししましたが、そうは思っても、頭の中のぐるぐるした思考が止まらない夜もありますよね。

そんな時、Audible(オーディブル)で聴いて腑に落ちたのが、堀田秀吾さんの『考えてはいけないことリスト』という本でした。

脳科学や学術データをもとに、「他人の評価」「過去の後悔」「未来の不安」など、人間が【考えても意味がない(むしろ不幸になる)こと】をバッサリとリスト化してくれている本です。

「未来の心配事の97%は現実にならない」といった知見に触れるだけでも、文字通り、肩の荷がふっと軽くなります。

目を閉じて、耳から「考えない技術」を流し込んでみる。それもまた、自分の盤面を静かに整えるための、良い一手になるかもしれません。最初の1冊は無料で体験できます。



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