これは、すでに分かっている人にとっては、とっくに分かっている話かもしれません。
日頃から体の状態に目を向け、生活のリズムや負荷を自分なりに調整できている人にとっては、特別に新しいことは書いていないと思います。
それでも、あえて書いておきたいと思ったのは、そうした「当たり前」が、いつの間にか後回しになっている時間を多くの人が過ごしているように感じたからです。
忙しさや習慣に流され、自分の体と静かに向き合う余裕がなくなっていく。
その結果、不調を感じたとき、私たちは自然と「何を足せばいいか」を考え始めます。
けれど、もしかすると必要なのは、足すことよりも先に、何を引けば体がフラットに戻るのかを考えることなのかもしれません。
できる・できないの話ではなく、まずはそういう視点を一度持ってみる。今回は、そんな問題意識から書いています。
新年が明け、日常が戻りつつある中で、ふと「体のだるさ」や「重さ」を感じてはいないでしょうか。
私たちは不調を感じると、つい
「何を足せばいいか」
を考えがちです。
しかし、現代の不調の多くは、実は引き算でしか整理できない構造を持っているのかもしれません。
今回は、このブログの立ち位置である「構造の分解」という視点から、健康の「足し算」が抱えるリスクについて書いてみます。
「何が足りないか」の前に、立ち止まって考えたいこと
体調が気になり始めたとき、多くの人は自然とこう考えます。
「何か足りていないのではないか」
「何をプラスすれば良くなるのだろうか」
サプリメント、栄養素、新しい健康習慣。
私たちの周りには、「足すことで健康を買い戻す」という情報が溢れています。
もちろん、それが本当に必要な局面もあるでしょう。
しかし、少し立ち止まって考えてみたいのです。
その不調は、本当に“不足”という欠落から来ているのでしょうか。
現代の不調は、過剰という「積み上げ」から始まっている
肥満、血糖値の乱れ、慢性的な疲労感、自律神経の不調。
これらを構造的に見ると、何かが足りないという「空白」の状態ではなく、むしろ生活の中に積み上がりすぎた「過剰」というプラスの状態から生じていることが分かります。
- 食べ過ぎ(プラスの積み過ぎ)
- 刺激の過剰(脳への情報の入れ過ぎ)
- 休まなさ過ぎ(活動の詰め込み過ぎ)
にもかかわらず、私たちはこの「過剰(プラス)」による歪みを、さらに別の「何か(プラス)」を上乗せすることで相殺しようとします。
「過剰というプラスを、対策というプラスで消そうとする」
このロジックが、私たちの健康観を少し複雑で、不自然なものにしています。
「プラスにプラスを重ねる」という発想の危うさ
何かを足すと、一時的な安心感が生まれます。
「対策を積んでいる」という感覚が、過剰な生活への免罪符のようになってしまう。
しかし、この「足し算のループ」には大きな見落としがあります。
それは、「土台にあるマイナスの原因(過剰な積み荷)」が、一切減っていないということです。
過積載のトラックが悲鳴を上げているときに、エンジンの性能を上げる添加剤(サプリ)を投入するようなものです。一時的に走れるようにはなるかもしれませんが、車体(体)にかかっている根本的な負荷は解決されていません。
結果として、
- 効いているのか分からないが、やめるのが怖い
- 対策が増えすぎて、何が原因か分からなくなる
- 別の場所から不調が噴き出してくる
そんな「上乗せの悪循環」に入りやすくなります。
これは手法の問題ではなく、向き合う「計算式」の問題なのです。
引き算=我慢ではない。目指すのは「0(フラット)」への回帰
ここで言う「引き算」とは、自分を追い込む厳しい制限のことではありません。
目指すのは、積み上がりすぎたものを下ろし、フラット(0)の状態に戻すことです。
私たちの体は、血糖を調整し、体温を保ち、回復を促す高度な調整機能を、もともと備えています。
多くの場合、その機能が壊れているのではなく、「上乗せされすぎた負荷」によって、物理的に動けなくなっているだけなのです。
まずは、その働きを邪魔している過剰なものを引く。
戻せるところまで戻し、体を身軽にする。
その上で、本当に足りないものだけを補う。
この「まず引いて、0に戻す」という順番のほうが、体のシステムにとっては圧倒的に理にかなっています。
情報の受け取り方を変え、健康を「整理」する
世の中の健康情報は、商売の性質上、どうしても「これを買ってください(足してください)」という形になりがちです。 それ自体を否定する必要はありませんが、
受け取る側が「足す前に、まず引けるものはないか」というフィルターを一枚持つだけで、
情報の波に飲み込まれにくくなります。
健康とは、何かを積み上げてデコレーションしていくものではなく、余計な負荷を削ぎ落としたときに、内側から自然に立ち上がってくる状態のこと。
不調が出てから無理やり何かを足すのではなく、大きく崩れる前に、少しだけ荷物を下ろす。
その「引き算」の視点を持つだけで、健康との付き合い方は、もっと静かで、ずっと風通しの良いものになるはずです。
お読みいただきありがとうございます。
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