未来をひらく習慣──“自由を少し預ける”という考え方
仕事帰りのコンビニで、特にお腹が空いているわけでもないのに、つい甘いものに手が伸びてしまうことがあります。
深夜、もう寝たほうが明らかに明日の自分のためになるとわかっていても、スマホを眺め続けてしまう夜もあります。
誰もが心当たりを持つような、ちょっとした“自由の過剰”の瞬間です。
自由はうれしいはずなのに、私たちの生活では、
自由が多いほど、かえって自由ではなくなる場面があります。
そんな逆説を抱えながら、私たちは日々を歩いているのだと思います。
■ 良い習慣がもたらす“整う感じ”の正体
朝少し早く起きられた日、散歩ができた日、いらないものを捨てられた日、
昼休みにほんの少しだけ読書ができた日。
こうした些細な行動にもかかわらず、「今日はいいな」と感じる瞬間があります。
それは、規律に従ったから気持ちいいのではなく、
未来の自分が喜ぶ方向に選択をひとつ積み上げられたという
静かな誇らしさ が灯るからだと考えられます。
“良い習慣が気持ちいい”と感じるのは、
つまるところ 望む未来と今の自分が、そっと同じ方向を向く瞬間 があるからです。
そんなシンプルな構造が、習慣の心地よさをつくっているのだと思います。
ただし、ここにはひとつ前提があります。
良い習慣とは、本来 未来に効くもの だということです。
未来の自分に届くご褒美は、どうしても距離が遠く感じられます。
私たちの脳はその距離を“軽く見積もる”ようにできていて、
そのため、習慣は続けにくく、誘惑は強く見えてしまいます。
でもこれは、意志が弱いからではありません。
人間という生き物の設計図そのものに、
“目の前の快楽を重く評価するクセ”が組み込まれているだけなのです。
■ 習慣が続かない本当の理由
未来の利益を正しく想像できる人は、ほとんどいません。
運動の大切さも、睡眠の重要性も、無駄遣いが後に響くことも理解しているはずです。
それでも私たちがつい手を伸ばしてしまうのは、
未来の自分よりも“今日の自分”の声のほうが大きく聞こえるからです。
ここには行動経済学でいう
双曲割引 が働いています。
専門語を使わずに言えば、
「脳の時計は未来を割り引いてしまう」
ただそれだけのことです。
習慣が続かないのは怠惰でも無能でもなく、
人間の構造がそうできているためなのです。
だからこそ、良い習慣を続けられるときは、
それ自体がひとつの“奇跡のような調和”とも言えるのだと思います。
■ 良い習慣とは、我慢の物語ではなく“未来へ少し手を伸ばす行為”
ここまでを整理すると、
良い習慣は「自分を縛るためのもの」と誤解されがちですが、
実際はもう少し柔らかい存在だと感じます。
良い習慣とは、
未来の自分のために、
いまの自分がほんの少しだけ自由を預けておく行為です。
自由を奪うものではなく、未来の自由を広げるための種まきです。
そして、その“預け方”は強制的である必要はありません。
・散歩を5分だけにしてみる
・寝る前のスマホ時間を10分縮めてみる
・読みたい本を机に置いておく
・夜に食べすぎないため、あえてコンビニに寄らない動線をつくる
こんな“小さな手放し”で十分です。
未来をひらく習慣とは、
いまの自由を全部差し出すような苦行ではなく、
自由の使い方のバランスを静かに整えていく営み に近いのだと思います。
■ おわりに:未来はいつも、今日のどこかに芽を出している
未来を変えるのは、大きな決意ではありません。
どこかの角度で自由を少し預けてみるという、
ささやかな姿勢の積み重ねです。
良い習慣を身につけたいと願うとき、
必要なのは「もっと頑張るぞ」という意気込みではなく、
未来と現在のあいだにやわらかい橋をかけるような感覚なのだと思います。
その橋を渡るたびに、
私たちは少しずつ、未来の自由をひろげているのだと感じます。
次の記事では、
「衝動と制限の関係」 をテーマに、
習慣が崩れやすい理由や、制限がもつやさしい役割について書いていきます。
続きも、静かに読んでいただけたらうれしいです。
noteにも行動経済学やアドラー心理学などを、自分のことに感じていただけるような記事を書いています。
そちらもぜひお読みいただけると嬉しいです。
001 ルールを守るという挑戦 自己紹介 はじめてのnote|【FX】Re: Trade
このブログでは、日常のふとした瞬間に感じる「生きづらさ」や、
心身の健康、そして人生を少し面白くする視点について綴っています。
読んでくださった今のあなたにとって、
次に必要な一編がここにあるかもしれません。
もしよろしければ、本棚を少しのぞいてみませんか?
👇 Re: Traderを深く味わうための「最初の一歩」をまとめました 👇
