AIに勝てない日、それでもチャートを開く理由
AIがニュースを騒がせていますね。
文章も書くし、絵も描くし、トレードだってやってのける。
どうやら人間の“得意分野”は、少しずつ侵食されているようです。
たとえばトレードの世界。
AIは感情に左右されず、ルール通りに反復できます。
前回の負けを引きずることもなく、欲に駆られてリスクを取ることもない。
人間が苦手とすることを、完璧にこなします。
それを見て、つい思うのです。
「もう、AIに任せたほうが早いんじゃないか」と。
でも、それでも私たちは今日もチャートを開きます。
負けたあとに深呼吸しながら、またローソク足を眺める。
次こそはルールを守ろうと誓い、次の瞬間に破る。
わかっていても、つい手が動く。
AIから見れば、きっと効率の悪い生き物でしょう。
けれど、不思議なことに――
その不完全さの中にこそ、「人間らしさ」があるのだと思います。
勝率ではAIに敵わないけれど、
“意味”を探す力、“納得”を求める心は、人間にしかありません。
トレードという行為を通して、私たちは結局、
「自分をどう扱うか」を学んでいるのかもしれません。
AIは勝つ。
でも、人間は“感じる”。
その違いの中に、まだ立ち続ける理由がある。

ルールを守れなかった夜も、静かに反省してまた次の朝。
今日も懲りずに、チャートを開く。
それが、人間のささやかな強さなのだと思います。
