AIに勝てない日、それでもチャートを開く理由

AIがニュースを騒がせていますね。

文章も書くし、絵も描くし、トレードだってやってのける。

どうやら人間の“得意分野”は、少しずつ侵食されているようです。

 

たとえばトレードの世界。

AIは感情に左右されず、ルール通りに反復できます。

前回の負けを引きずることもなく、欲に駆られてリスクを取ることもない。

人間が苦手とすることを、完璧にこなします。

それを見て、つい思うのです。

「もう、AIに任せたほうが早いんじゃないか」と。

 

でも、それでも私たちは今日もチャートを開きます。

負けたあとに深呼吸しながら、またローソク足を眺める。

次こそはルールを守ろうと誓い、次の瞬間に破る。

わかっていても、つい手が動く。

AIから見れば、きっと効率の悪い生き物でしょう。

 

けれど、不思議なことに――

その不完全さの中にこそ、「人間らしさ」があるのだと思います。

勝率ではAIに敵わないけれど、

“意味”を探す力、“納得”を求める心は、人間にしかありません。

トレードという行為を通して、私たちは結局、

「自分をどう扱うか」を学んでいるのかもしれません。

 

AIは勝つ。

でも、人間は“感じる”。

その違いの中に、まだ立ち続ける理由がある。

 

ルールを守れなかった夜も、静かに反省してまた次の朝。

今日も懲りずに、チャートを開く。

それが、人間のささやかな強さなのだと思います。

036 AIは勝つ、人間は勝てない——トレードにおける“敗北の哲学”|【FX】Re: Trader